購入した家がシロアリに侵されていた(令和元年8月13日掲載)
リアルバリュー法律事務所での解決事例です。
リアルバリュー法律事務所での解決事例です。
当事者の特定を避けるため、いつ頃の案件かが分からないように年月日などは伏せます。
また、事案の本質を変えない程度に事実関係を変えてあります。
中古の木造家屋を購入したところ、しばらくして家の廊下に大量の虫の死骸が散らばっており、念のため害虫駆除業者に調査をお願いしたところ、虫の死骸はシロアリであることが判明しました。
そこで、民法の瑕疵担保責任を売主に追及し、シロアリ除去費用と修繕費用を売主に損害賠償請求して裁判所に訴えを提起した案件です。
瑕疵担保責任とは、売買契約時に発見できなかった欠陥が、売買契約後に発覚した場合に、売主は、その欠陥の修繕費などを損害賠償する責任があるというものです。
ただ、損害賠償請求する以上は、損害がどの程度で、その駆除費用や修繕費用がいくらかを明確にしなければなりません。
そのため、害虫駆除業者にお願いして、天井裏から床下まで、家の中のあらゆる場所を調査してもらい、豊富な写真付きの調査報告書を作成して、これを証拠として裁判所に提出しました。
シロアリの侵食の程度は結構大きく、そのうちに、天井の一部が絶えられずに落ちてきたりもしました。
被告である相手方は、当初、売買の後でシロアリが発生したのだから売主に責任は無いと主張していました。
こちらとしては、シロアリの生態に関する各種資料を証拠として提出し、これらの資料やシロアリによる本件家屋の現実の侵食の程度から、シロアリは、売買契約よりもずっと前に発生していたと反論しました。
結局、裁判官から、売買契約前からシロアリによる侵食があった可能性が強いと言わざるを無いとの心証開示があり、この裁判官の和解の勧試により、最終的には、被告が原告にシロアリ駆除・修繕費用を支払うという内容の裁判上の和解が成立しました。
駆除・修繕費用としていくら払うかがまとまるまで、それなりの紆余曲折がありましたが、最終的には、双方がお互いに納得する内容にて和解をすることができました。