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施工ミスがあるのに施工代金を請求された

リアルバリュー法律事務所での最近の解決事例です。
当事者の特定を避けるため、いつ頃の事件かが分からないように年月日などは伏せます。また、事案の本質を変えない程度に事実関係を変えてあります。

私の依頼者は賃貸マンションの所有者でした。
依頼者がマンションの機械式立体駐車場を解体して、そこを綺麗に舗装するように施工業者に注文した案件です。

通常、整地などの施工をした場合、道路の方に雨水が流れていくように傾きをつけるのが当たり前です。
建築基準法なんかでも、建物の敷地は適切に排水されるようになっていなければならないとされています(建築基準法19条1項)。

ところが、私の依頼者が舗装施工を注文した業者は、道路の方を高くした傾きをつけて舗装してしまったために雨水がマンション敷地の中に流れ込むような状態になってしまいました。

舗装の施工が完了した、その翌日に雨が降ったのですが、雨水の多くがマンション敷地に流れ込み、マンション敷地の塀のところに何時間もとどまった状態になってしまいました。

雨水がたまっている間は、車を駐めることもできないし、足のくるぶしの上まで雨水がたまったので、歩くのにも支障があるし、雨水が引いた後は、汚れやカビで黒ずんでしまうし、という散々なことになっていました。

そこで、依頼者は、当然に、工事のやり直しをしてもらえるものと思って、施工業者に連絡を取っていたところ、施工業者の方から、工事代金を払えという訴訟を提起してきました。
その時点で、依頼者は、私に、訴訟代理人を委任したわけです。

私は、受任してすぐに反訴を提起しました。
反訴の内容は、施工ミスを回復するための費用に関する損害賠償請求訴訟です。

第一審の途中で、専門委員を入れた調停手続になったりしましたが、結局、和解することができず判決となりました。
判決の内容は、相手方の工事代金支払い請求と、こちら側の損害賠償請求の双方を認めたプラスマイナスゼロのイーブンな判決でした。

ただ、イーブンとはいっても、依頼者のマンション敷地にあった、機械式立体駐車場の解体は滞りなくやってもらっているので、別の業者に舗装工事をやり直してもらえば、依頼者が得をした感のある判決でした。
なので、この判決に依頼者も十分に満足してました。

依頼者よりの判決に不服だったのか、相手方が控訴提起しました。
こちらは第一審の判決で満足だったので控訴しませんでしたが、相手方が控訴してきたのにあわせて附帯控訴はしておきました。

控訴審では、裁判官から、ほぼ第一審判決の内容で和解できないかと和解の勧試がありました。
控訴審の和解期日では、こちら側と相手方とで、交代で別々に裁判官に面談する形で手続が進行しました。
こちらとしては、第一審の判決は、実質的にこちら側の勝訴なので、第一審の判決内容での和解に反対するはずがありません。
ただ、
相手方は、控訴で勝てると思っていたのか、高裁の裁判官からの和解の勧試になかなか応じようとしなかったみたいです。
しかし、裁判官から相手方に対して、第一審よりも更に負ける可能性があるというような相当にきつい意見が開陳されたらしく、相手方も折れて、第一審の判決とほぼ同じ内容で和解することになりました。

依頼者としては、機械式立体駐車場の解体が終わった状態から、新たに別の業者に舗装工事を依頼することになり、雨水がマンション敷地に流れ込んでくるという相手方の舗装工事をはがす工事代金分をその別の業者に負けてもらえば、機械式立体駐車場の解体は、ほぼ無料でやってもらったのと同じことになるので、「相手から工事代金を請求されたときは驚いたが、結果オーライですね」と喜んでいただけました。

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