質問:隣の家の塀が傾いて、うちの土地に倒壊してきそうです。重量のありそうな塀で、倒壊したらかなり危険に思えますが、権利として何か言えることはなのでしょうか。
回答:
自分の土地に隣の塀が倒れ込んできそうな状態なので、自分の土地を守るために、塀が倒れないように予防措置をしてくれと隣地所有者に言う権利があります。
隣の土地から自分の土地利用等を妨害されることを予防するため、自分の土地の所有権に基づいて請求する権利なので妨害予防請求権などと言います。
実際に、自分の土地に倒れ込んでしまい、自分の家が損壊したなどの被害が出れば、その被害を補塡するための費用(修繕費)などを損害として損害賠償請求をすることができます。
妨害予防請求が裁判所に判決で認められたのに、相手が妨害予防措置を取らない場合、相手の代わりに自分で妨害予防措置を行い、その予防措置の費用を相手に請求することができます(代替執行と言います)。
もっとも、相手が無資力者ですと、現実に費用を回収することはできませんが、隣地所有者として、土地や家を所有しているので、所有する土地や家を差し押さえて競売にかけることができる場合が多いでしょう。