自筆証書遺言は、法改正後も自筆が必要です(2019年2月18日掲載)
遺言書を自筆にて書くのを自筆証書遺言と言い、自筆証書遺言が有効な遺言になるためには厳格な要件があります。
- 本文の全てを自筆で書くこと
- 遺言者の署名押印があること
- 日付の記載があること
この3つが絶対必要です。
ただ、今回の民法相続編の改正によって、自筆証書遺言が若干緩和されました。
ところが、この自筆証書遺言が緩和されたという情報を極大誤解して、自筆証書遺言は、本文をワープロで打って、署名だけ自筆であれば良くなったと
思い違い
をしている人が一部におられます。
しかし、それは間違いです。
緩和されたのは、
遺言書に添付する相続財産の目録については、自署を要しないとされただけです。
しかも、自筆証書遺言と一体の目録であることとか、目録の全てのページに署名押印することというような面倒くさい縛りもあります。
要するに、自筆証書遺言についての法律の緩和とは、相続財産について目録を作る必要があるほどの資産家の遺言書についてのものだということになります。相続財産目録を添付するほどの遺産が無く、居住する住宅及び土地、そして、いくらかの預貯金があるというくらいの一般庶民には関係のない緩和かもしれません。
なお、この自筆証書遺言の緩和は、平成31年1月13日以後に作成された自筆証書遺言に適用されます。