戸籍法の改正で戸籍関係書類の取得が楽になります。
相続が開始すると諸手続のために、亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの
全ての本籍地の戸籍関係書類が必要になります(除籍謄本や改正原戸籍と言われるもの)。
たとえば、札幌市で生まれ、その後、大阪市で結婚し、
転職で名古屋市に引っ越した際に本籍を名古屋に移して
名古屋で亡くなった場合、
名古屋市で除籍謄本を取るだけでなく、札幌市と大阪市で改製原戸籍を取らなければいけません。
また、
最初から全ての本籍地が分かっているということは少なく、
最初に名古屋市で取った除籍謄本に、「大阪市○○から名古屋市○○に転籍」と書かれていたら、
今度は、大阪市で改製原戸籍を取り、
大阪市で取った改製原戸籍に「札幌市○○から大阪市○○へ転籍」と書かれていたら、
次に、札幌市で改製原戸籍を取り、
札幌市で取った改製原戸籍が生まれたときに作成されたものであれば、
これが一番最初の戸籍だということで戸籍関係書類が全て揃ったとなります。
このような場合に、今までは、名古屋市の除籍謄本は名古屋市、大阪市の改製原戸籍は大阪市、
札幌市の改製原戸籍は札幌市に対して請求しなければならなかったので、
それぞれの役所に直接出掛けて行くか、郵便で請求するかしなければいけませんでした。
(ああ、めんどくさい)
しかし、近いうちに、戸籍法が改正され、
最寄りの市区町村役場にて、全ての戸籍関係書類が徴求できるようになります。
法務省では、令和5年度中の運用を予定しており、
戸籍法改正についての法務省のHPは、
こちらにあります→「戸籍法が改正されてできるようになること」
ただ、この最寄りの市区町村役場で全ての戸籍関係書類を徴求する方法は、
その最寄りの市区町村役場に直接出向かなければなりません(郵送ではダメ)。
また、弁護士など専門家が徴求する職務上請求という方法がありますが、
この専門家による徴求方法では、
最寄りの市区町村役場で全ての戸籍関係書類を徴求する方法を使うことが出来ず、
今までどおり、各市区町村役場に出向くか、郵送請求するかしなければなりません。
あくまでも、この新しい方法を利用できるのは、
相続人地震が自分で戸籍関係書類を徴求するような場合ということになります。