他人が自分の土地に勝手に家を建てた
この案件は更地になっている自分の土地に他人が勝手に家を建てたという案件です。
ただ、問題なのは、その他人が赤の他人ではなくて親戚であるということでした。
依頼者からは、相手が親戚なので裁判などにはならないように御願いしたいという要請がありました。
また、解釈次第では依頼人が家を建てることを許可したのではないかと見えるような行為をしていたため、負ける可能性は少ないものの、裁判に持ち込めば必ず勝てると断言まではできないという事情もありました。
かなり濃厚な交渉を重ね、最終的には、勝手に建てられた家を借地権付き建物として依頼人が買う代わりにその家を建てた親戚はそこから出て行くという内容で和解しました。
依頼人が家を買う代金については、相手方の親戚は、自分が家を建てるために要した費用(住宅ローンも含め)の全てを回収できる金額での売却を望みましたが、そこは不動産鑑定士であり鑑定業務の経験が長い私の腕の見せ所でした。
不動産鑑定士の立場から適正な家の価格を提示し、さらに、この件で和解できなければ、建物収去土地明渡し請求訴訟になるということをちらつかせながら粘り強く交渉しました。
結果として、相手が主張する金額よりもかなり低めの金額で依頼人が買えることになりました。
もちろん、依頼人が家を買うお金をキャッシュで用意できませんから住宅ローン絡みのことについても某信託銀行と交渉を重ね無事に依頼人に融資がおりることになりました。