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仲介した物件に欠陥があったために損害賠償請求された宅建業者さん。完全勝訴のはずだったが。

 

リアルバリュー法律事務所での解決事例です。

当事者の特定を避けるため、いつ頃の案件かが分からないように年月日などは伏せます。

また、事案の本質を変えない程度に事実関係を変えてあります。

 

この案件は、建物売買を仲介した宅建業者さんが損害賠償請求された事案です。

 

売買された建物に欠陥があり、使いものにならないため、売買代金分その他の金額を損害賠償しろとして訴えられました。

具体的な損害賠償請求理由の一つは、宅建業者さんが、重要事項説明のときに、建物に欠陥があることを説明しなかったが、少し調査すれば判明するような欠陥を説明しなかったのは、重要事項説明義務違反だとするものでした。

 

重要事項説明義務違反だという主張に対しては、建物の欠陥は、宅建業者が容易に分かるようなものではなかったことなどを主張立証し、この部分については、判決でも、こちらの主張が全面的に指示されました。

なので、本来であれば完全勝訴するはずでした。

 

ただ、問題はまだあり、相手方の具体的な損害賠償請求理由に、もう一つ、重要事項説明のときに宅建士でない従業員が説明したというのがありました。

 

法律では、重要事項説明は、重要事項説明書を買主に交付して、宅建士宅建士証を買主に提示した上でしなければならないと法律で決まっており、宅建士でない者重要事項説明をしても、法律的には重要事項説明をしたことにはなりません。

 

宅建士でない者が説明をしたという事実は、依頼人である宅建業者さんは、最初から認めており、当事者尋問でも、そのように答えていたので、これは、原告・被告双方に争いの無い事実でした。

 

なので、実際の判決は、宅建業者さんには、建物の欠陥を説明しなかったという責任は全く無いが、宅建士でない者重要事項説明をしたということは重要事項説明をするという仲介人の義務を果たしていないので、仲介人としての仕事をしなかった以上、もらった仲介料を買主に返還する義務あるといった
ものでした。

 

相手の請求は、売買代金相当の損害だったので、請求額は数千万円でしたが、それは判決が完全に否定しました。

ただ、仲介料分の何十万円かを買主に返せという内容の判決にはなったので、完全勝訴になりませんでした。

(それでも、数千万円の請求を完全に退けることが出来たので、私の仕事としては、やれることはやったという結果になりましたが。)

 

実質的には勝訴判決と言えるかもしれませんが、宅建業者さんが重要事項説明宅建士にさせていれば本当の完全勝訴になったはずなので、ちょっと残念な気持ちにはなりました。

宅建業者さんは、忙しくて宅建士に説明させている暇があまりないというようなことがあるのかもしれませんが、やはり、後から何が起きるか分かりませんし、無資格者に説明させることは明確な法律違反なので、やはり法律どおり、宅建士重要事項説明をさせるという基本をはずしてはいけません。

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