質問:二人兄弟です。母は既に亡くなっており、先日、父も亡くなりました。兄弟の二人で仲良く半分ずつ相続すると思っていたのですが、兄が公正証書遺言というのを出して来て、「遺言で親父の財産は全て俺が相続することになってる。」と言ってきました。親父は、晩年、ボケていたので遺言書なんか書けるはずがありません。遺言書が無効だと争えますか?
回答:
まず、お父様がボケていたということですが、仮に認知症であったとしても、認知症の症状は、人それぞれで色々なレベルがありますし、認知症だからといって、遺言書の意味や、遺言書に書いたことの意味が全く分からないほど知的レベルが低下していたとは限りません。
すなわち、認知症であったというだけでは遺言書が無効になるとは言えません。
特に、公正証書遺言の場合は、公証人という国の機関が、お父様の認知の状態その他についてちゃんとしていたとお墨付きを与えた遺言書なので、それを無効であるとしてひっくり返すことは非常に困難です。
公正証書遺言が無効であると言うためには、公証人という国の機関が間違っていたということを立証しなければなりませんが、そのようなことは、多くの場合、不可能に近いです。
なので、公正証書遺言が無効であると争っても良い結果を得られないことの方が圧倒的に多いです。
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