瑕疵担保責任に関する民法改正-その2(令和元年8月15日掲載)
従来の民法では、売主に対して瑕疵担保責任を追及する場合、
原則としては損害賠償請求が基本でした。
たとえば、
欠陥の修繕に必要な修繕費を損害として
賠償請求するなどです。
ただ、欠陥の程度が大きくて、
その物を買った意味がなくなるような場合には、
契約を解除して、支払った売買代金の返還と、
これに関係して発生した損害の賠償請求をすることができる
となっていました。
いずれにしても、
今までの民法では、売主に対して、
損害賠償請求と契約解除の方法しか
法律上は認められていませんでした。
改正民法では、これらに加えて、
買主に追完請求権が認められるようになりました。
追完請求権とは、
欠陥を修繕しろとか、
欠陥の無い物に交換しろと言える権利です。
条文上は次のようになっています。
「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して
契約の内容に適合しないものであるときは、
買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は
不足物の引渡しによる履行の追完を請求することができる。
ただし、
売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、
買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完を
することができる。」(改正民法562条1項)