相手方の証拠偽造?により勝訴(2019年2月19日掲載)
相手方が証拠偽造まがいのことをやってくれたために勝訴した事案があります。
ある不動産を○○の目的のために購入したのに、その不動産では○○できないことが分かったので、買主が損害賠償請求したという案件です(証拠偽造まがいのことなので○○などと抽象化します)。
この案件の訴訟で、相手方は、役所の××課に聴取したという報告書を証拠として提出してきました。報告書の作成者は、訴訟代理人である弁護士でした。
証拠として提出された報告書の内容は、役所の××課の担当者に問い合わせたところ、「問題となっている不動産は○○できる」との回答を得たというものです。
私としては、既に色々と調査済みだったので、役所がそんな回答をするはずがないという確信がありました。
そのため、裁判所に調査嘱託の申出を行いました。調査嘱託とは、裁判所から法人に対して問い合わせをすることです。
私が申し出た調査嘱託の内容は2点です。
一つは、報告書を作成した弁護士が、その役所の××課に本当に聴取しに行ったのか。
もう一つは、聴取しに行ったのであれば、役所の担当者は、その弁護士に、問題となっている不動産は○○できるなどと回答したのか。
この2つです。
役所から裁判所に届いた回答は、「その弁護士が役所の××課に来た事実はあるが、その弁護士は、役所の担当者に、問題となっている不動産に関して、○○できるか否かという内容の聴取はしていない。そのような聴取をされていないのだから、役所の担当者が○○できるという回答などもしていない。」といったものでした。
相手方が証拠として提出した報告書の内容が全くの虚偽であることが判明したわけです。
私は、裁判官に、相手方がこのような証拠を提出したことについて何らかの忠告をすべきじゃないかと言いましたが、裁判官は、「色々な見方があるでしょうから。」と、あまり触れたくない様子でした。こちらとしても訴訟に勝てば良いので、それ以上突っ込むことはしませんでした。
結果、こちらの主張を大きく認めた一部認容の判決となりました(請求額を大きくしたので請求全額を認めてもらうことはできませんでした)が、いい加減な証拠を出したということで、裁判官の相手方に対する心証が相当に悪くなったのは間違いありません。