父親が亡くなり、相続財産の中に土地とその上の建物があったが、
それを父親が一時的に他人に貸していたという案件です。
(土地とその上の建物を、以下「土地建物」と表記します。)
父親は生前、御近所の会社に土地建物を一時的に
貸していました。
その会社が、事務所を建て替えるので、
その間、空家になっている父親の土地建物を貸して欲しいということで、貸していたものです。
ところが、その会社は、事務所の建て替えが完了したにもかかわらず、土地建物を倉庫などとして使用し続け、返してくれないという状況になっていました。
取りあえず、父親の土地建物の相続登記をし、
その後、会社に対して、建物明渡し訴訟を提起しました。
訴訟提起に到ったのは、任意の交渉や内容証明郵便に対して、
相手方である会社が無視し続けたからです。
会社に対して、一時的に土地建物を貸しただけということの立証は、
貸したときの契約書などで明らかであったため、
訴訟が進むと、相手方の会社が完全敗訴することが濃厚になってきました。
そのため、裁判官から相手方会社に対する説明もあり、
土地建物を相手方会社が明け渡すという裁判上の和解をするに到りました。
その結果、相手方会社は、裁判上の和解で決めた期日に土地建物を明け渡し、相続人は、その土地建物を自由に使えるようになりました。