父親が亡くなり、兄弟2人が相続人で、
外国に居住している兄から遺産分割調停を申し立てられた案件でした。
父親個人の財産だけであれば、
それを法定相続分を基準にして、どのように分けるか
ということになりますが、
父親が会社経営をしており、
父親個人が残した財産だけではなく、
会社の債権や債務をどうするかで揉めていました。
最終的には、調停上の和解で決着しましたが、
その際に、相続人である兄弟だけの和解ではなく、
父親が経営していた会社を利害関係人として
和解の当事者の中に入れて和解書(調停条項)を作成しました。
つまり、調停条項の「当事者等目録」に、
各相続人である「申立人」、「相手方」のほかに、
父親が経営していた会社を「利害関係人」として入れたわけです。
結局、父親の会社の経営を弟が引き継ぐことにし、
父親が所有していた会社の株式は、
父親個人の財産なので、遺産分割によって、
会社の株式を弟が全て相続し、
会社の債権・債務は、会社代表者となった弟が処理していくこととし、
(父親が保証人となっている会社債務などもありました。)
会社株式以外の父親個人の財産については、
弟が会社を承継したことを考慮して、
兄の取り分をやや増やすといった内容で調停条項を作成し、解決しました。